神の名前と一緒に検索されている言葉を調べると、新しい発見があるかもしれない。
世の人々が神の名前を何と紐付けているのかを知るため、「神話SS」に登場する神々の名前と、検索結果に表示された関連ワードを調べてみました。

▼参考:SSに登場する神々の一覧

今日のテーマは、「タヂカラオ×〇〇」です。

戸隠

  • タヂカラオ(アメノタヂカラオ)は、高天原が誇る剛力の神である。記紀神話においては岩戸隠れの段で活躍した後、ニニギの従者として葦原の中つ国へ降り、最終的に佐那の地に祀られたとされている。
  • 最大の見せ場である岩戸隠れの段では、オモイカネ・アメノコヤネ・フトダマ・アメノウズメらが策を巡らしてアマテラスの興味を引き、アマテラスが外の様子を窺おうと天岩戸を開いたところでアマテラスの腕を掴み、そのまま引っ張り出す大仕事をやってのけた。アマテラスは女神であるとは言え、スサノオと対峙する際には矢1,500本などの重装備を身に付けていたり、他の誰も動かすことのできない天岩戸を動かすことができたりと、かなりのフィジカルエリートであることが窺われる。そんなアマテラスを有無を言わさず引っ張り出せるのだから、タヂカラオの腕力は相当なものであると言えるだろう。
  • さて、有名な話なので今さら説明するまでもないかもしれないが、長野県長野市の戸隠神社には、タヂカラオがアマテラスを引きずり出すために天岩戸をこじ開けて豪快に投げ飛ばし、その岩戸が落ちたところが戸隠山になったという伝説が残っている。そんなこんなで、戸隠神社奥社の祭神はタヂカラオとなっている。「投げ飛ばせるくらいなら策を巡らす必要無かったんじゃ……?」という疑問も生じるが、おそらく完全に閉まった状態の天岩戸は不思議パワーでアマテラスにしか動けないようになっているのだろう。まぁ、何にせよ戸隠が神話ロマンを感じさせる地であることは間違いない。

相撲

  • 前回タケミカヅチとタケミナカタの力比べが相撲の原点だと書いたばかりだが、どうやらタヂカラオも相撲と縁のある神様らしい。
  • 調べてみたところ、どうやら相撲の家元である吉田司家が相撲三神として崇敬していたのが「天照大神」「住吉大神」「戸隠大神」なのだそうだ。「天照大神」はそのままアマテラス、「住吉大神」はソコツツノオ・ナカツツノオ・ウワツツノオのいわゆるツツノオトリオであり、「戸隠大神」は上述したとおり戸隠神社奥社の祭神であるタヂカラオを指す。海の神としての性質が強い住吉大神がなぜ入っているのかはよくわからないが、力と力のぶつかり合いである相撲を司る神に剛力のタヂカラオが選出されるのは妥当と言えよう。
  • なお、上記吉田司家の定義によらず、タヂカラオ・タケミカヅチ・野見宿禰を相撲三神とする説もあるようだ。いっそ合併して相撲五神にしてもよさそうなものだが、そういう問題ではないのだろうか?また、力士が懸賞金を受け取る際に手刀を三回切るのは、アメノミナカヌシ・タカミムスヒ・カムムスヒの造化三神に対して感謝の意を表明するためらしく、ここでも三神が出てきた。相撲と“3”という数字は何か特別な関係でもあるのだろうか?

ワイン


登場した神々の名は。

  • ニニギ(瓊瓊杵尊/邇邇芸命)
  • オモイカネ(思金神/思兼神)
  • アメノコヤネ(天児屋命)
  • フトダマ(布刀玉命/太玉命)
  • アメノウズメ(天宇受賣命/天鈿女命)
  • アマテラス(天照大御神/天照大神)
  • スサノオ(須佐之男命/素戔嗚尊)
  • タケミカヅチ(建御雷神/武甕槌神)
  • タケミナカタ(建御名方神/御名方富命神)
  • ソコツツノオ(底筒之男神/底筒男)
  • ナカツツノオ(中筒之男神/中筒男)
  • ウワツツノオ(上筒之男神/表筒男)
  • アメノミナカヌシ(天之御中主神/天御中主尊)
  • タカミムスヒ(高御産巣日神/高木神)
  • カムムスヒ(神産巣日神/神皇産霊尊)


小学校の林間学校の行先が戸隠だったというだけですが、個人的に戸隠には縁を感じています。
興味が湧いたら、神話SSを読みつつ、神々の名前で検索してみてはいかがでしょうか。