神の名前と一緒に検索されている言葉を調べると、新しい発見があるかもしれない。
世の人々が神の名前を何と紐付けているのかを知るため、「神話SS」に登場する神々の名前と、検索結果に表示された関連ワードを調べてみました。

▼参考:SSに登場する神々の一覧

今日のテーマは、「スクナビコナ(スクナヒコナ)×〇〇」です。

身長

  • スクナビコナは、オオクニヌシの義兄弟となり二神三脚で国造りを行ったパートナーである。古事記によれば、二柱の出逢いが出逢ったのはオオクニヌシが御大の御前(みほのみさき:島根県松江市三保関)にいるときのこと。船に乗ってやって来たスクナビコナをオオクニヌシが発見し、名を尋ねたものの、スクナビコナは問いかけに応じない。困ったオオクニヌシはカエルのタニグクのツテで案山子のクエビコを呼び、「こいつは誰だ?」と問うと、クエビコは「この神はカムムスヒの御子のスクナビコナである」と答える。そこで、オオクニヌシがカムムスヒに確認したところ、カムムスヒはそのとおりであると認めたうえで、スクナビコナに対し、オオクニヌシの義兄弟となり国造りを手伝うよう命じたのであった。
  • そんなスクナビコナの特徴として有名なのが、“身体の小ささ”である。どのくらい小さいかと言うと、ガガイモの実(長さ10cm程度の袋果)を船とし、「鵝(ひむし)の皮=蛾の羽」を着物として漂流していたところをオオクニヌシに発見されるレベルだ。そもそも葦原の中つ国に降りてきた理由が「カムムスヒの指の間から零れ落ちたから」というとんでもない設定……。これらの記載から推測されるスクナビコナの身長は、せいぜい単三……いや、単四電池くらいではないだろうか……?
  • ちなみに、上記のとおり古事記ではカムムスヒの御子とされているスクナビコナだが、日本書紀ではタカミムスヒの御子とされている。どちらが正しいかはともかく、いずれにせよ造化三神の直系であることから、身長のわりに実は位の高い天津神であったのではないかと思われる。そんな身分のスクナビコナがオオクニヌシの義兄弟として国造りに主体的に関わっていたのであれば、天津神が葦原の中つ国の統治権を求めるのも真っ当な主張と言えるだろうか?

一寸法師

  • 日本昔ばなしで有名な一寸法師、日本人ならばおそらく知らない人はいないだろう。彼はその身長が極めて小さかったためにその名が付けられたとされているが、一寸と言えば3cm程度である。本当にその名のとおり身長が一寸だったとしたら、後述する各種の設定に無理が生じるので、おそらく“一寸”はいくらか誇張した表現であるか、あるいは生まれた当初のサイズを表したものであって、物語中ではもう少し大きいサイズを想定していると思われる。まぁ、いずれにせよ常人に比べると異常なほど小さかったことは間違いなく、そういった点でスクナビコナから着想を得たものであるとされているようだ。
  • 地域や時代によって多少ブレはあるかもしれないが、私が認識している一寸法師のあらすじは概ね以下のとおりである。
    ――長年子宝に恵まれず悩んでいた老夫婦のもとに、あるとき待望の男の子が生まれた。その子はとても小さかったので、夫婦は一寸法師と名付けて大事に育てたが、成長しても彼の身長は一向に伸びなかった。そんなハンディキャップを抱えながらも、彼は「京へ行って侍になる」という夢を叶えるため、お椀を船、箸を櫂とし、刀の代わりに針を差して旅立つ。
    ――京でなんか名家っぽいところに仕えることになった一寸法師が、ある日その家の娘と一緒に歩いていると、恐ろしい鬼が現れて娘を攫おうとした。娘を守るため勇敢に立ち向かう一寸法師だったが、自分の何十倍も大きな鬼に、あえなくひと飲みにされてしまう。
    ――しかし、活きたまま腸に届く乳酸菌並みの生命力を誇る一寸法師は、鬼の腹の中から針を突き刺して内臓に直接ダメージを与える。これには鬼もたまらず、一寸法師を吐き出して逃げ帰ってしまった。
    ――逃げた鬼が落としていった“打ち出の小槌”を拾った娘が振ってみると、一寸法師の身長が見る見るうちに伸び、立派な成人男性サイズになったので、一寸法師と娘は晴れてお似合いのカップルとして結婚し、幸せに暮らしたとさ。
  • さて、我が家の針の長さを測ってみたところ4cmだったので、これを刀にするとしたら一寸法師の身長は少なくとも6cmくらいはありそうである。また、お椀の船を箸の櫂で漕げる程度のサイズ感ということを考えると、もっと大きいかもしれない。そうすると、一寸法師はスクナビコナよりだいぶ大きいように思われるが、そのあたりは「ガガイモの実」などのわかりづらい描写をより身近でイメージしやすいものに置き換えた結果なのだろう。

総本社

  • スクナビコナを祀る神社で“総本社”と言えば、和歌山県和歌山市の淡嶋神社ということになるだろうか?こちらは全国にある淡島神社・粟島神社・淡路神社の総本社で、祭神は少彦名命(すくなひこなのみこと)・大己貴命(おほなむじのみこと)・息長足姫命(おきながたらしひめのみこと=神功皇后)の三柱とのこと。
  • ただし、元々“淡島神”として祀られていたものの正体がスクナビコナであるかどうかについては争いがあるようだ。古事記読者としては、“淡島”と聞くとヒルコに次ぐイザナギとイザナミの第二子・アワシマがパッと浮かぶが、イザナギ・イザナミの正式な子として数えられておらず、特段エピソードも残っていないアワシマにこれほど広く信仰されるポテンシャルがあるかは疑問である。
  • まぁ、結局のところあくまで一介の参拝者である我々としては、行った先の神社の解釈に従って、スクナビコナが祀られていればスクナビコナ、それ以外の神が祀られていればその神に対して最大限敬意を払うのが良いと思われる。

登場した神々の名は。

  • オオクニヌシ(大国主神)
  • タニグク(多邇具久)
  • クエビコ(久延毘古)
  • カムムスヒ(神産巣日神/神皇産霊尊)
  • ヒルコ(水蛭子/蛭子)
  • イザナギ(伊邪那岐/伊弉諾)
  • イザナミ(伊邪那美/伊弉冉)
  • アワシマ(淡島)


『まんが日本昔ばなし』を久しぶりに見たくなりました。
興味が湧いたら、神話SSを読みつつ、神々の名前で検索してみてはいかがでしょうか。