神の名前と一緒に検索されている言葉を調べると、新しい発見があるかも知れない。
世の人々が神の名前を何と紐付けているのかを知るため、「神話SS」に登場する神々の名前と、検索結果に表示された関連ワードを調べてみました。

▼参考:SSに登場する神々の一覧

今日のテーマは、「アメノオシホミミ×〇〇」です。

  • アメノオシホミミの子は、アマテラスの孫として国譲り後の葦原中津国を治めるため、高天原から降臨した神として有名なニニギである。アメノオシホミミはアマテラスとスサノオの誓約で最初に生まれた神であり、続柄としては両神の長男となる。妻は造化三神の一神・タカミムスヒの娘であるヨロズハタトヨアキツシヒメで、この二神の間に生まれたニニギは、アマテラスとタカミムスヒの孫ということになる。
  • 神話では、当初葦原中津国にはアメノオシホミミが降臨して平定のうえ、そのまま治めることを目指していたのであるが、アメノオシホミミは葦原中津国が騒がしいと言って降臨を拒み、他の神々によって国譲りが達成された。ところが、いざ国譲りが完了し、アマテラスとタカミムスヒが揃って降臨を促しても、アメノオシホミミはそれを「お断りします!」と拒んで、代わりにその息子・ニニギを降臨させるよう推薦している。ンミチャンミタイ。
  • ネット上には、上記の経緯と古事記(712年成立)編纂当初の状況を結び付けて、当時の権力者・藤原不比等(ふじわらのふひと)の意向が神話に入れ込まれたものと指摘する記事があった。これは、天皇の系譜である持統天皇(在位:690-697)と文武天皇(在位697-707)の間に見られる「天皇から息子を抜かして孫が即位する」という構図や、文武天皇の妻となり聖武天皇(在位:724-749)を産んだ藤原宮子の父・藤原不比等が外戚関係(タカミムスヒと同じ)から発言力を持つことについて、それを正当化するためであったとするものである。

奈良

  • 高天原から出ていないのだから当然とも言えるが、アメノオシホミミは神話上で奈良と関係のありそうな描写は見当たらない。奈良県内でアメノオシホミミを祭神とする神社を検索すると、「勝手神社(かつてじんじゃ)/奈良県吉野郡吉野町」と「天忍穂耳神社(あめのおしほみみじんじゃ)/奈良県生駒市」2社が見つかった。
  • 勝手神社は、吉野の山の入口に鎮座する神社で、その字面から勝負事・戦の神としての御利益があるとされる神社であるが、由緒等は不詳。アメノオシホミミは、日本書紀では別名・マサカアカツカチハヤヒアメノオシホミミ(正哉吾勝勝速日天忍穗耳尊)と書かれ、簡単に訳せば「まさに勝った。素早く勝った高天原の威力ある稲穂の神」となるそうである。これはアマテラスとの誓約に勝利したスサノオによって名付けられた名であることから、勝負事には縁のある名である。
  • 天忍穂耳神社は、生駒市にある「神武天皇聖蹟鵄邑(とびむら)顕彰碑」の近くにある神社で、鵄邑は、神武東征の際に天皇軍が抵抗勢力・ナガスネヒコに勝利した地であるとされる。他サイトの記述によれば、ナガスネヒコが仕えた神・ニギハヤヒがアメノオシホミミの子神とされることから当地と縁があるものとされる。

合気道

  • 合気道の開祖・植芝盛平氏は、合気道精神をアメノオシホミミの名前に当てはめて説いていたといい。正勝吾勝勝速日の部分について、「正勝」は正義の心で勝つこと。「吾勝」は己に打ち勝つこと。「勝速日」は日の昇るごとく速く勝つ。というものであるらしい。
  • 植芝氏は神の概念を気のエネルギーと結びつけたうえで、天地のバランスの取れたアメノオシホミミの状態こそ、合気道の目指す道としているそうだ。詳しくは、本が出版されている。


    合気道を学ぶ人のための古事記入門
    治郎丸明穂
    株式会社クエスト
    2012T


  • 植芝氏の弟子である「塩田剛三」氏を扱ったテレビ番組を観たことがあるが、彼は体格差をものともせず、当身だけで相手を吹っ飛ばしてしまっていた。(厳密には物理学で語れるものかも知れないが)「気」という不思議なパワーを極めた人の感覚では、「神」という不思議なパワーにも通じ安いのだろうか。ちなみにWikipediaでは、植芝盛平氏・塩田剛三氏それぞれの記事で逸話が充実していて面白い。

登場した神々の名は。

  • アマテラス(天照)
  • ニニギ(瓊瓊杵)
  • スサノオ(須佐之男/素戔男)
  • タカミムスヒ(高御産巣日/高皇産霊尊)
  • ヨロズハタトヨアキツシヒメ(萬幡豊秋津師比売/タクハタチヂヒメ・栲幡千千媛萬媛命)
  • ナガスネヒコ(那賀須泥毘古/長髄彦)
  • ニギハヤヒ(邇藝速日命/饒速日命)

今回の神の名は続柄・地名・武道と様々な関連ワードが検索されていました。
やはり神話や神社の存在は色々な方面に影響を与えているようです。
興味が湧いたら、神話SSを読みつつ、神々の名前で検索してみてはいかがでしょうか。