<投稿200記事記念>

神の名前と一緒に検索されている言葉を調べると、新しい発見があるかも知れない。
世の人々が神の名前を何と紐付けているのかを知るため、「神話SS」に登場する神々の名前と、検索結果に表示された関連ワードを調べてみました。

▼参考:SSに登場する神々の一覧

今日のテーマは、「アジスキタカヒコネ×〇〇」です。

ニギハヤヒ

  • 古事記でのアジスキタカヒコネの登場は、妹・シタテルヒメの夫であったアメノワカヒコの葬儀に参列するシーンである。アメノワカヒコは、葦原中津国平定の命を受け赴任したまま、高天原に戻らず、状況を確認に来た使者・ナキメを殺害したことにより、高天原から天羽々矢で狙撃・殺害された神である。アジスキタカヒコネはアメノワカヒコに見間違われるほど似ていたと言われ、葬儀の際に死者と間違われたことに怒り、喪屋を破壊する。
  • ニギハヤヒは大和地域を支配する天津神とされ、神武東征の際に大和地域で服属を要求してきた神武天皇軍に抵抗した臣下・ナガスネヒコを殺害している。そのエピソードの中で、「天羽々矢」が登場する。妻はコトシロヌシの娘で、ナガスネヒコの妹であるトミヤビメ。日本書紀では、神武天皇の妻・ヒメタタライスケヨリヒメもコトシロヌシの娘とされるから、ナガスネヒコは神武天皇の義兄または義弟かつ、ニギハヤヒの義兄。
  • アジスキタカヒコネは高天原に逆らった義弟の葬儀に参列し喪屋を破壊、ニギハヤヒは神武天皇(妻の義兄弟)に逆らった義兄を殺害している。
  • はっきりと関連性を指摘する情報はなかった。

タケツノミ/ヤタガラス

  • アジスキタカヒコネは全国の賀茂神社(上賀茂神社・下鴨神社を含む)の総本社・高鴨神社等の祭神、別名・迦毛之大御神(かものおおみかみ)と呼ばれる。地祇系賀茂氏の祖神とされるが、天神系賀茂氏とは別氏族とされる。
  • カモタケツノミは下鴨神社の祭神で、代々賀茂神社(上賀茂神社・下鴨神社)に奉斎している天神系賀茂氏の始祖とされる。神武東征の際にヤタガラスに変身して神武天皇を先導したと言われる一方、神武天皇の義祖父とも言われる。タケツノミの孫(神武天皇と兄弟)であるカモワケイカヅチノミコトは上賀茂神社の祭神であり、アジスキタカヒコネと同一視されることがあるらしい。
  • ネット上では、アジスキタカヒコネ・タケツノミ・ヤタガラスは同一神とする説を提唱する記事が複数見られるが、時系列が微妙に合わない。

コトシロヌシ

  • アジスキタカヒコネは上述の通り、地祇系賀茂氏の祖神とされ、高鴨神社に祀られている。
  • 地祇系賀茂氏はその始祖・大鴨積命が祖神・コトシロヌシを鴨都波神社に祀ったことから鴨氏を名乗り始めた氏族と言われており、アジスキタカヒコネとは祀られる神社が異なるものの似た立場にある。鴨都波神社には、アジスキタカヒコネの妹・シタテルヒメも祀られる。
  • アジスキタカヒコネ・コトシロヌシはともに大国主の子神であり、両神は兄弟という続柄になる。ネットでは、両神が兄弟にあたることや、神話上の近い時期に登場することなどから、同じ記事の中に登場しているものがいくつか存在した。

登場した神々の名は。

  • シタテルヒメ(下照比売/下照姫)
  • アメノワカヒコ(天若日子/天稚彦)
  • ナキメ(鳴女)
  • ニギハヤヒ(邇藝速日命/饒速日命)
  • ナガスネヒコ(那賀須泥毘古/長髄彦)
  • コトシロヌシ(事代主)
  • トミヤビメ(登美夜毘売/鳥見屋媛)
  • ヒメタタライスケヨリヒメ(比売多多良伊須気余理比売/ヒメタタライスズヒメ・媛蹈鞴五十鈴媛)
  • カモタケツノミ(賀茂建角身命)
  • ヤタガラス(八咫烏)
  • カモワケイカヅチノミコト(賀茂別雷命)

今回調べられている神々は親戚関係が複雑でしたね。家系図にまとめてみると面白いかもしれません。
興味が湧いたら、神話SSを読みつつ、神々の名前で検索してみてはいかがでしょうか。